遺品整理業者を調べてみた——頼む前に知っておくべきこと

親と実家

実家の母屋が空き家になって、しばらく経つ。いつかは片付けなければならない。でも「遺品整理業者」という言葉を検索するのには、なぜか抵抗があった。まだそのときではない、という感覚があった。

それでも調べてみた。知らないままでいることの方が、もっと困ると気づいたからだ。

「遺品整理業者」を検索するのに、抵抗があった

母は今も離れで一人暮らしをしている。元気だ。母屋は空き家だが、母が亡くなったわけではない。

それでも「遺品整理業者」で検索する行為は、どこか後ろめたかった。まるで母の死を前提にしているような気がした。

ただ、実家の大工小屋には、父が使っていた大工道具がそのままある。隣の倉庫には農機具や、祖母の代から残っているものが積まれている。これを誰かの手を借りて片付けるとき、どう動けばいいのか。そのことを今のうちに知っておきたかった。

調べてみると、知らないと損をする話が思ったより多かった。

「遺品整理」「実家整理」「不用品回収」——何が違うのか

検索すると似た言葉がいくつか出てくる。整理しておく。

遺品整理:亡くなった方の所有物を片付ける作業。感情的な負荷が高い場面を、専門業者が担う。

実家整理:親が高齢になったり施設に移ったりしたあと、実家の中のものを整理する作業。親が存命のまま行う場合も含まれる。

生前整理:本人が存命中に、将来を見越して自ら行う整理。

不用品回収:不要なものを引き取るだけの業者。仕分けや整理は行わないことが多い。

自分の実家に当てはめると、「実家整理」が近い。母屋に積まれたものを、いつか片付ける必要がある。ただ、その作業には父の遺品も含まれる。「遺品整理」と「実家整理」が混在している、というのが正直なところだ。

費用の目安を調べてみた

依頼した場合の費用は、部屋の広さと荷物の量で変わる。調べた範囲での目安は以下のとおりだ。

1K〜1LDK(〜40㎡):5万〜15万円程度
2LDK(40〜60㎡):10万〜25万円程度
3LDK以上(60㎡〜):20万〜50万円以上

ただしこれは作業費のみだ。処分する荷物の搬出・廃棄費用が別途かかることが多い。荷物の量が多ければ、費用はさらに上がる。

実家の母屋は60坪以上ある。単純に当てはめれば、整理だけで相当な金額になる。以前、解体費用も含めて実家整理の費用を調べたとき、合計で数百万円規模になると知った(実家整理の費用相場を調べた)。整理業者への依頼費用は、その前段階に過ぎない。

業者選びで気をつけること

費用だけで選ぶのは危険だと、複数のサイトで書かれていた。確認すべきポイントをまとめる。

遺品整理士の資格:民間資格だが、業者の倫理観や対応の水準を測る目安になる。一般社団法人遺品整理士認定協会が認定している。

廃棄物処理の許可:大量の不用品を処分するには「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要だ。この許可を持たない業者が、不法投棄を行うトラブルが報告されている。依頼前に確認しておく必要がある。

現地見積もりが基本:写真や電話だけで見積もりを出す業者には注意が必要だ。荷物の量や状態によって費用は大きく変わる。現地を見ずに出した見積もりは、後から大きく変わることがある。

複数社から見積もりを取る:最低でも2〜3社は比較する。1社だけで決めると、相場からかけ離れた金額を提示されても気づきにくい。

業者に頼む前に、自分でやっておくことがある

調べてみて気づいたのは、業者に依頼する前に家族でやっておくことが多いということだ。

まず、何を残して何を処分するかを決めておく。業者は作業を手伝えるが、判断は家族しかできない。父の道具や農機具を処分していいかどうか——それは母が元気なうちに確認しておかなければならない。

次に、貴重品や重要書類を先に分けておくことだ。通帳・保険証書・権利書などは、整理作業の前に別に保管しておく。入院のときに書類の場所がわからず慌てた経験がある(親が元気なうちに話しておくべきこと)。その教訓は、実家整理でも同じだ。

さらに、親族間での認識を合わせておくことも必要だ。「あれは誰かが使う」「これは捨てていい」——そういった判断をめぐって、後から揉めるケースがあると聞く。先に話しておく方がいい。

知っておくだけで、気持ちが少し楽になった

「遺品整理業者」という言葉を検索することへの抵抗は、調べてみると消えていた。情報を知ることと、実際に動くことは別だ。

費用の目安を知っておくこと。業者の選び方を知っておくこと。今の段階で自分たちでできることと、業者に任せる部分を分けて考えておくこと——それだけで、漠然とした不安が少し形になった。

「知らないまま」でいるより、「知った上で今は動かない」の方が、ずっと落ち着いて構えられる。

定時のあとの時間を使って、少しずつ。

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