一人暮らしの親を支える見守りサービス比較

一人暮らしの親を支える見守りサービス比較 親の老い

一人暮らしの親を支える方法を考えるとき、見守りサービスという言葉をよく目にする。

ただ、調べてみると種類が多い。電話で確認するもの、訪問してくれるもの、センサーで生活の動きを見るもの、カメラを使うもの、緊急時に駆けつけてくれるものまである。

どれが一番いいのかと考え始めると、すぐに迷う。

私の母は、実家の離れで一人暮らしをしている。毎日昼食の配食サービスを受け、最近はヘルパーにも来てもらい、私は月に数回訪問し、電話でも様子を確認している。それでも、これで十分なのかと考える日はある。

今回は、一人暮らしの親に見守りが必要かもしれないと感じている方に向けて、私が調べて整理したことをお伝えしたい。専門家のまとめではなく、同じように親の見守りを考えている一人の会社員が、調べて分かった範囲の話だ。

見守りサービスは「何を見るか」で種類が分かれる

見守りサービスの種類を電話やセンサーなどで整理した卓上の風景

見守りサービスと一口に言っても、見ているものは同じではない。

親が元気に返事をしたかを見るもの。
家の中で動きがあるかを見るもの。
誰かが実際に訪問して様子を見るもの。
緊急時に押せるボタンを持たせるもの。
家族がカメラで確認できるもの。

同じ見守りでも、目的が違う。

最初にここを分けておかないと、必要以上に高いサービスを選んだり、逆に本当に必要なところが抜けたりする。

私も最初は、見守りサービスという言葉を聞くと、機械を置いて異常を知らせるものを想像していた。だが実際には、昔からある電話確認や訪問確認も、立派な見守りだ。

母の場合、いま一番大事なのは、急な体調変化に気づくことと、日々の暮らしが崩れていないかを見ることだと思っている。

倒れた瞬間をすぐに検知する仕組みも大切だ。だが、それだけではなく、食事が取れているか、薬やストマ用品の管理ができているか、暑さ寒さに対応できているか、買い物やゴミ出しで困っていないか。こうしたことも、できれば把握しておきたいと考えている。

正確に言えば、見たいというより、必要だと考えている、という方が近い。

ただ、見られるようにするということは、見たくないものまで見えてしまうということでもある。親子とはいえ、知らないままのほうがいいこともある。だから、何でも見えればいいとは思っていない。どこまで見るかは、本人の暮らしと気持ちを差し引いて決めることだと思う。

そのうえで私が見守りに求めているのは、単なる安否確認だけではない。

一人暮らしを続けられる状態かどうかを、少し早めに知るための仕組みだ。

そう考えると、見守りサービスは次のように分けて見ると分かりやすい。

  • 電話型
  • 訪問型
  • 配食型
  • センサー型
  • カメラ型
  • 緊急通報・駆けつけ型

どれか一つを選べば終わりではない。

親の状態、家族との距離、本人の性格、家の構造によって、組み合わせ方が変わる。

電話型は始めやすいが、返事の中身までは分かりにくい

電話型の見守りは、比較的始めやすい。

毎日または決まった日に電話をかけ、親が応答するか、体調に関する質問に答えるかを確認する。自動音声のサービスもあれば、家族が自分で電話する形もある。

日本郵便の「みまもりでんわサービス」のように、毎日電話で体調確認を行い、回答内容を家族へメールで知らせるものもある。公式サイトを見ると、固定電話と携帯電話で料金が分かれており、未応答の場合の再連絡や報告先の設定も用意されている。

電話型の良いところは、親の生活に大きく入り込まないことだ。

家の中に機械を置く必要がない。カメラで見られる抵抗感もない。本人が電話に出られれば、毎日の安否確認としては使いやすい。

母にも、電話確認は合っている部分がある。

母はスマートフォンの細かい操作は苦手だが、音声通話なら使える。メールやLINEは難しいが、電話なら出ることができる。私も以前は、仕事終わりに毎日のように電話していた。

ただ、電話型には限界もある。

親が「大丈夫」と言えば、それ以上は分かりにくい。

体調が悪くても、心配をかけまいとして軽く答えることがある。部屋の中が散らかっていても、食事が残っていても、薬が減っていなくても、電話だけでは見えない。

母も、昔から「大丈夫」と言うことが多い。

悪意があるわけではない。心配をかけたくない気持ちや、人に頼ることへの遠慮があるのだと思う。だから電話で元気そうに話していても、実際に行ってみると台所まわりや冷蔵庫の中に変化が見えることがある。

電話型は、親が応答できるかを見るには向いている。

だが、暮らしの細かい乱れまで見るには、別の方法と組み合わせたほうがいい。

訪問型は人の目が入る安心がある

訪問型の見守りは、実際に人が家を訪ねる。

月に一回、週に一回など頻度はサービスによって違う。訪問した人が親と会話し、表情や受け答え、家の様子を確認して、家族に報告する形が多い。

日本郵便の「みまもり訪問サービス」は、月一回、郵便局員が直接訪問し、決められた質問項目などを確認して報告する仕組みになっている。公式サイトでは、電話やメールでは分かりにくい顔色、会話の受け答え、自宅の様子を見られることが強みとして説明されていた。

訪問型の良さは、人の目が入ることだ。

機械では拾いにくい変化がある。顔色、歩き方、話し方、家のにおい、玄関まわりの様子。こうしたものは、直接会わないと分かりにくい。

私が実家へ行ったときも、電話では分からなかったことに気づくことがある。

洗い物が残っている。
同じ食品を買いだめしている。
電気がつけっぱなしになっている。
郵便物が開けられずに置かれている。

一つひとつは小さなことだ。

だが、その小さな変化が続くと、一人暮らしの支え方を見直すサインになる。

訪問型は、遠方に住む家族には心強い。毎週は帰れない。仕事もある。自分が行けない間に、定期的に誰かが顔を見てくれるだけで安心感は変わる。

一方で、訪問型にも考える点がある。

頻度が月一回なら、毎日の異常には対応しにくい。訪問する人との相性もある。親が他人の訪問を負担に感じる場合もある。

ここは、家庭によって向き不向きがはっきり分かれると思う。

たとえば母の場合、すでにヘルパーが定期的に訪ねてくれている。配食の受け取りも毎日あり、私も月に数回は顔を出す。人の目という意味では、すでにいくつか入っている。

その状態で、月に一度だけの見守り訪問をあらためて足すかというと、私には重なりが多く感じる。すでに来てくれている人がいるのに、見守りのために別の訪問をもう一つ加えるのは、内容としては少し不自然に思える。

一方で、近くに通える家族がおらず、ヘルパーも入っていない遠方の一人暮らしには、訪問型の意味は大きい。誰も顔を見に行けない家にとって、月に一度でも決まった人が訪ねて様子を確かめ、家族に伝えてくれる仕組みは、ほかで代えにくい。

訪問型は、親本人が人と話す機会を持てる点でも意味がある。安否確認だけでなく、孤立を少しやわらげる役割もある。だからこそ、すでに人の出入りがある家よりも、人の出入りが乏しい家でこそ生きる仕組みだと思う。

配食サービスは食事と安否確認を同時に見られる

配食サービスを女性配達員から玄関で受け取り安否確認にもつながる様子

母が今使っている見守りに近いものは、配食サービスだ。

昼食を毎日届けてもらっている。もともとは食事の確保が目的だった。車を手放し、買い物に自由に行けなくなった母にとって、毎日の昼食が届くことは大きい。

だが、続けてみると、配食は食事だけではないと分かった。

玄関先で受け取る。
配達する人と短く言葉を交わす。
食欲の変化が見える。
受け取りができないと異変に気づくきっかけになる。

これは、かなり実用的な見守りだ。

母にとっても、昼食は一日の楽しみになっている。献立に変化があり、買い物に行けない日でも食事が確保される。家族側から見ると、食べるものが毎日届くという安心がある。

配食型の良さは、本人が受け入れやすいことだと思う。

「見守られている」と言われると抵抗があっても、「お弁当が届く」なら生活の支援として受け入れやすい。見守りを前面に出さず、結果として安否確認にもなる。

これは母には合っていた。

もちろん、配食だけでは十分ではない。

夕食や朝食は別に考える必要がある。受け取りだけでは家の中の状態までは分からない。本人が無理をして受け取っている可能性もある。

それでも、一人暮らしの親を支える入口として、配食サービスはかなり現実的だと感じている。

特に、食事、買い物、安否確認が同時に気になる家庭では、最初に検討しやすい。

見守りサービスというと専用機器を想像しがちだが、毎日の食事を届けてもらうことも立派な見守りの一つだ。同じように、牛乳やヤクルトの配達で安否を確かめる仕組みもあり、自治体を通すと無料で使える地域もあると知った。住んでいる市区町村でどんな支援があるかは、一度調べてみる価値がある。

センサー型とカメラ型は便利だが、本人の納得が欠かせない

機械を使った見守りには、センサー型やカメラ型がある。

センサー型は、部屋の動き、ドアの開閉、電気や家電の使用、水道の使用などから生活の動きを見る。一定時間動きがない、いつもの時間に反応がないといった場合に、家族へ通知する仕組みだ。

カメラ型は、家族が映像で様子を確認できる。

妻の父の家には、玄関に見守りカメラを設置している。目的は、家の中を常に見ることではなく、玄関先の出入りを確認することだ。

この玄関という場所が、今の義父の暮らしにはちょうどよかった。

本人がいつ出かけ、いつ戻ったかが分かる。誰が訪ねてきたか、不審な訪問販売がないかも確認できる。それでいて、部屋の中までは映らないので、暮らしそのものには入り込みすぎない。常に見張るのではなく、必要なところだけを適度に確認できる。

義父は視力がほとんどないが、判断力は保たれている。家族も近くにいて、何かあれば動ける。そういう家にとって、玄関は見守りカメラの置き場所として過不足がなく、ちょうどよい位置だと感じている。全体として、入れてよかったと思える使い方になっている。

一方で、母の家に同じものを入れるかというと、すぐには決められない。

母はスマートフォンの操作に慣れていない。機械への抵抗もある。家の中を見られていると感じれば、落ち着かないかもしれない。

見守りカメラは便利だ。

だが、便利さだけで入れるものではないと思う。

私が見たなかには、工事不要で親の部屋に置ける見守りカメラもあった。スマートフォンで確認でき、必要なときに声をかけられるものなら、離れて暮らす家族の不安を少し減らせるかもしれない。ただ、置く場所や見る時間を家族側で決め、本人が納得していることが前提だと思う。

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本人がどこまで見られることを受け入れられるか。家族がどの範囲まで見るのか。映像を確認する人は誰か。録画するのか。緊急時以外は見ないのか。

先に決めておかないと、親の暮らしに踏み込みすぎる。

センサー型は、カメラより抵抗が少ない場合がある。

映像ではなく、動きや使用状況だけを見るからだ。たとえば象印のポットのように、毎日使う家電がそのまま安否確認になるタイプもあり、生活のリズムを見るには使いやすい。電気の使用や電球の点灯で知らせるものなど、最近は種類も増えている。

ただし、センサー型にも限界はある。

動きがあったから元気とは限らない。動きがないからすぐ異常とも限らない。通信環境や機器の不具合も考えないといけない。

機械の見守りは、家族の不安を減らす一方で、通知が来るたびに気持ちが落ち着かなくなることもある。

だから、機械を入れるなら、何を通知してほしいのかを絞ったほうがいい。

母の場合なら、まずは家の中を細かく見るより、毎日の生活反応があるかどうか、暑い時期にエアコンを使えているか、玄関や電話に異変がないか。そのくらいから考えるのが現実的だと思っている。

緊急通報・駆けつけ型は「誰が動くか」を決めておく必要がある

緊急通報後に誰が動くかを家族で整理するための電話と連絡先メモ

見守りサービスの中には、緊急ボタンや駆けつけサービスがある。

親が体調不良や転倒時にボタンを押す。異常があればコールセンターや警備会社につながる。必要に応じて家族や救急へ連絡する。サービスによっては、警備会社が自宅へ駆けつける。

駆けつけまで含めて任せたい場合は、ALSOKやセコムといった警備会社が、緊急ボタンやセンサーと駆けつけをまとめたサービスを用意している。日本郵便のサービスにも、オプションとして警備会社の駆けつけが付けられる。いずれも公式サイトを見ると、別途契約や駆けつけ時の料金が必要と説明されていた。料金や対応エリアは会社ごとに違うので、ここでは「こういう選択肢がある」という程度にとどめ、詳しい比較は別の機会に整理したい。

このタイプは、いざというときの安心感がある。

特に、家族がすぐに行けない距離にいる場合は心強い。夜間や休日、仕事中に連絡が来たとき、自分がすぐ向かえないことは十分あり得る。

ただし、ここでも考えるべきことがある。

緊急ボタンは、本人が押せなければ機能しない。

倒れて意識がない場合、ボタンに手が届かない場合、そもそも本人が「迷惑をかけたくない」と思って押さない場合もある。

母の性格を考えると、少し体調が悪いくらいでは押さない可能性がある。

これは母に限った話ではないと思う。高齢の親は、遠慮や我慢をすることがある。大ごとにしたくない。子に迷惑をかけたくない。救急車を呼ぶほどではない。そう考えて、連絡が遅れることがある。

だから、緊急通報型を入れるなら、使う基準を親と決めておく必要がある。

胸が苦しいとき。
転んで立てないとき。
ストマや薬でいつもと違う不安があるとき。
電話に出られないほどしんどいとき。

このくらいなら押していい、と具体的に話しておく。

そして、連絡を受けたあとに誰が動くかも決めておく。

私が動くのか。
妻に連絡するのか。
近所の方にお願いするのか。
救急につなぐのか。
ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談するのか。

サービスに入っただけでは、家族側の段取りは完成しない。

緊急時の見守りは、機械や会社に丸投げするものではなく、家族の連絡網とセットで考えるものだと思う。

私なら、まず「生活の中に自然に入るもの」から考える

見守りサービスを比較してみて、今の私が感じていることがある。

一番高機能なものが、一番合うとは限らない。

大事なのは、親の生活の中に自然に入るかどうかだ。

母の場合、すでに配食サービスは生活に入っている。ヘルパーも少しずつ受け入れている。電話はできる。私も月に数回は訪問している。

この状態で、いきなり家の中にカメラを増やすより、今ある仕組みをどう組み合わせるかを考えたい。

たとえば、今の段階なら次の順番になる。

  • 配食サービスで毎日の食事と受け取りを確認する
  • 電話で声と受け答えを確認する
  • 訪問時に台所、冷蔵庫、薬、ストマ用品、郵便物を見る
  • 気になる変化が続いたら、ヘルパーの時間やセンサー型を検討する
  • 緊急時の連絡先と動く人を紙にしておく

これなら、母の生活を大きく変えずに始められる。

一方で、妻の父のように視力の問題があり、玄関の訪問者確認が大事な場合は、カメラ型が合う。本人の状態や住んでいる地域、家族との距離によって、選ぶものは変わる。

見守りサービスを選ぶときは、料金表だけを見ても決められない。

何が心配なのか。
本人は何を受け入れられるのか。
家族はどこまで確認したいのか。
異常が分かったあと、誰が動けるのか。

この四つを先に書き出したほうがいい。

私も、まだ答えを出したわけではない。

母の一人暮らしは、今すぐ終わるものではない。できるだけ長く、本人が納得できる形で続けてほしい。そのためには、家族だけで抱え込まず、外のサービスを少しずつ使うことになる。

見守りは、親を管理するためのものではない。

親の一人暮らしを続けるために、家族が早めに気づく仕組みだと思う。

今のところ、私の結論はそこにある。

定時のあとの時間を使って、少しずつ整えていく。

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