墓じまいの費用と手順を調べてみた

墓じまいの費用と手順を調べてみた 親と実家

墓じまいを考え始めたとき、最初に出てきたのは「いくらかかるのか」「何から手をつけるのか」という二つの疑問だった。

以前、墓じまいを考え始めたきっかけは書いた。母屋や仏壇のことを考えるうちに、墓も同じ流れの中にあると気づいたという話だ。ただ、そのときは気持ちの整理が中心で、具体的な中身までは調べていなかった。

知らないままにしておくのはやめたい。そう思って、費用の相場と手順を一通り調べてみた。今すぐ実行するわけではないが、わかったことを書き残しておく。

まず、何にお金がかかるのかを分けて考えた

墓じまいの費用項目を確認するための書類と電卓

漠然と「墓じまいにはお金がかかる」と思っていたが、調べてみると費用はいくつかの項目に分かれていた。ひとまとめにして考えていると相場がつかめないので、項目ごとに分けてみた。

  • 閉眼供養(魂抜き)のお布施
  • 墓石の撤去・解体工事費
  • 区画を更地に戻して返還する費用
  • お寺との関係を終える際の離檀料
  • 改葬先(新しい納め先)の費用
  • 役所の手続きにかかる費用

このうち、金額が大きく動くのは墓石の撤去工事と改葬先の費用だった。墓の大きさや立地、どこに納め直すかで幅が出る。逆に役所の手続きそのものは、数百円から1,000円程度で済むらしい。

費用の話というと総額ばかり気にしてしまうが、何にいくらかかるのかを分けて見ておくと、後で見積もりを取るときに比べやすいと感じた。

費用の相場を調べてみた

以前、実家整理の費用相場を調べた記事の中で、墓じまいはおおよそ50万円から100万円という数字を挙げた。今回もう少し細かく見ても、全体としてその幅に収まることが多いようだった。

内訳の目安として、墓石の撤去・更地工事が1平方メートルあたり10万円前後から、墓の規模によってはそれ以上。閉眼供養のお布施が数万円程度。改葬先は、永代供養の合祀なら比較的抑えられるが、個別の納骨堂や樹木葬を選ぶと数十万円かかることもある。

もちろん、これはあくまで調べた範囲の相場で、地域や石材店、お寺によって差がある。実際にいくらになるかは、見積もりを取ってみないとわからない。

ただ、ぼんやり「100万円くらいかかるらしい」と身構えていたものが、項目ごとに分かれて見えてきただけでも、少し落ち着いて考えられるようになった。

手順は、思っていたより段階が多かった

費用以上に「なるほど」と思ったのは、手順の方だった。墓石を撤去すれば終わり、というような単純なものではなかった。

調べてみると、大きく次のような流れになっていた。

  1. 家族・親族と話して合意しておく
  2. 遺骨の新しい納め先(改葬先)を決める
  3. 今のお寺・墓地の管理者に意向を伝える
  4. 役所で改葬の許可をもらう
  5. 閉眼供養をして遺骨を取り出す
  6. 墓石を撤去し、区画を更地にして返す
  7. 改葬先に納骨する

順番が前後すると手続きが止まることもあるらしい。たとえば改葬先が決まっていないと、役所の許可申請に必要な書類がそろわない。先に石材店へ撤去を頼んでしまうと、許可が下りる前に動けなくなる。

一つずつ見ると当たり前のことなのだが、知らずに進めると、どこかで引っかかりそうだと感じた。

役所の手続きでつまずきやすいところ

改葬許可の手続きを進めるための役所の書類

手順の中で、一番わかりにくかったのが役所の手続きだった。

遺骨を別の場所へ移すには「改葬許可証」というものが要る。これは、今の墓地がある市区町村の役所で発行してもらう。発行には、いくつかの書類をそろえる必要があった。

  • 改葬先が遺骨を受け入れると証明する書類(受入証明書)
  • 今の墓地の管理者が、そこに遺骨があると証明する書類(埋葬証明書)
  • 役所に出す改葬許可申請書

つまり、改葬先と今の墓地の双方から証明をもらってはじめて、役所が許可を出す仕組みだった。一人で完結する手続きではなく、相手のある手続きだということが、調べてみてようやく腑に落ちた。

これを知らずに「墓を移すだけ」と思っていたら、どこから手をつけていいか分からなかったと思う。順番でいえば、改葬先を決めることが意外と早い段階で必要になる。

改葬先と離檀料という、お金以外の問題

改葬先を考えるきっかけになる静かな墓地の通路

費用と手順を調べていて、最後まで答えが出なかったのが、改葬先をどうするかという点だった。

永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨。選択肢はいくつもある。費用の幅もそこで大きく変わるが、それ以上に「自分はどういう形で残したいのか」という気持ちの問題が絡んでくる。これは相場を調べても答えが出ない部分だった。

もう一つ、数字にしにくいのが離檀料だ。代々お世話になってきたお寺との関係を終えるときに納めるもので、決まった額があるわけではないらしい。金額の話というより、これまでの関係をどう締めくくるかという話だと感じた。

我が家は宗派も墓も代々受け継いできたもので、年に数回お経をあげていただいてきた。事務的に「解約します」と言えるような関係ではない。ここは費用の問題というより、母の気持ちや、お寺との長い付き合いをどう扱うかという問題なのだと思う。

調べてわかったのは、順番が大事だということ

一通り調べてみて、墓じまいは「お金がかかる作業」であると同時に「順番のある手続き」だと分かった。

費用は項目ごとに分けて見れば、おおよその見当はつく。手順も、書き出してみれば一つずつは難しくない。ただ、合意・改葬先・お寺・役所と、相手のある段階が重なっているので、思いついた順に動くとうまくいかない。

今すぐ実行するつもりはない。母が元気で、今の形を大切にしているうちは、急いで結論を出す話でもないと思っている。それでも、何にいくらかかり、どの順で進むのかを知っておくだけで、いざというときの心構えがまるで違う。

同じように後継ぎのいない墓を抱えている家は、決して少なくないはずだ。私自身、調べる前は総額の大きさにばかり目が行っていたが、分けて見れば一つずつ向き合える話だった。

定時のあとの時間を使って、少しずつ整理していく。

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