50代後半で副業を続けるために決めた小さなルール

50代後半で副業を続けるために決めた小さなルール 仕事

副業を始めるより、続ける方がずっと難しい。ブログを書き始めて、やっと三か月目に入ったところだが、その短い間でいちばん身に染みたのは、このことだった。

始めるのは、その気になれば一日でできる。アカウントを作り、最初の一本を書けば、もう始まっている。難しいのはそのあとだ。会社の仕事があり、母の用事があり、自分の体調もある。やる気のある日ばかりではない。何も手を打たなければ、こういうものは静かに止まる。

だから私は、続けるための小さなルールをいくつか決めた。立派な目標ではない。気持ちが細くなった日でも崩れないように、わざと低いところに置いた約束ごとだ。今回は、その四つを整理しておきたい。同じように、会社の外で何かを始めてみたいと考えている人の、参考になればと思う。

続けることが、いちばん難しい

始めるときは、勢いがある。何かを変えたいという気持ちが背中を押してくれる。実際、私もそうやってブログを書き始めた。

問題はそのあとだ。最初の高ぶりが落ち着くと、日常が戻ってくる。残業のある週もあれば、母の通院に半日付き合う日もある。疲れて、何も書きたくない夜もある。

そういう日が続くと、人は自然に手が止まる。一度止まると、再開するのに妙な力が要る。前に書いたのがいつだったか思い出せなくなり、書く感覚も鈍る。再開のハードルだけが上がっていき、そのまま離れていく。続かない副業の多くは、たぶんこの形で消えていくのだと思う。

始めたころは、週に一本書くのが精一杯だった。何を書けばいいのかも、どう書けばいいのかも手探りで、一本仕上げるのにずいぶん時間がかかった。それが途中から、一日に一本を目標にするようになった。数をこなすうちに、少しずつ書く感覚がついてきたからだ。

正直に言えば、今でも何が正しいのかは分かっていない。サイトの設定も、プラグインも、記事の精度も、扱う分野も、法律のうえで差し障りがないか、読む人を不快にしていないか——どれも加減がつかめないままだ。それでも、あれこれ迷って立ち止まるより、まずは書く本数を増やすことに集中すると決めた。この決め方が正しいのかも、まだ自信はない。それでも、止まっているよりはいい。そう思って、今は進むことにしている。

以前、ブログを続けるためにやめたことを整理したことがある。完璧に仕上げようとすること、数字をすぐ求めること、人と自分を比べること。手放すことで前に進む、という整理だった。今回はその逆で、続けるために新しく決めたことを書く。引いたあとに、何を足したか、という話だ。

気合いで乗り切ろうとは思わなかった。50代後半の私に、若いころのような無理は利かない。気持ちに頼ると、気持ちが切れた日に全部が止まる。続けている人を見ていると、強い意志で続けているというより、続く仕組みの中に自分を置いているように見える。

だから、気持ちではなく仕組みで続けたい。そう考えて、いくつかのルールを決めることにした。どれも小さい。小さいからこそ、調子の悪い日でも守れる。

ルール1 書く時間を、先に決めておく

副業ブログを書く時間を決める夜の机

最初に決めたのは、書く時間を固定することだった。

以前の私は、空いた時間に書こうとしていた。だがその「空いた時間」は、たいてい来ない。仕事や家のことで埋まり、気づけば一日が終わっている。空きを待っていると、永遠に始まらないのだと分かった。

最初は朝に書こうとしたこともある。だが朝は出勤前の支度に追われ、落ち着かない。結局、自分にとって確保しやすいのは夜だった。仕事を終え、家のことが一段落したあとの、短い時間。長くは取れない。それでも、ここは書く時間だと先に決めておく。

決めてしまうと、迷いが減る。今日はやろうか、やめておこうか——その判断こそがいちばん消耗する。やるかどうかを毎回考えていると、考えるだけで疲れて、結局やらない。最初から「この時間は書く」と決まっていれば、考えずに机に向かえる。判断を一つ減らすだけで、続けやすさは思っていたより変わった。

毎日きっちり守れているわけではない。守れない日もある。それでも、基準の時間があると、戻る場所がはっきりする。ブログ名のとおり、定時のあとの時間を一つ、これに充てると決めた。

ルール2 一日の最低量を、低く決める

小さな進み具合を残す白紙カードとノート

次に決めたのは、一日にやる量をうんと低く設定することだった。

一日一本を目標にし始めたころは、毎日きちんと一本仕上げたいと思っていた。だが、仕上げることを基準にすると、まとまった時間が取れない日はゼロになる。ゼロの日が増えると、気持ちも離れていく。

そこで基準を変えた。一本書き上げることではなく、毎日少しでも触ること。一段落でもいい。前に書いた文章を読み返して、一文だけ直すのでもいい。題材を一行メモするだけでもいい。とにかく、その日に何かしら手を入れる。それで今日はやったことにする。

低く決めておくと、疲れた日でも守れる。守れると、続いているという感覚が残る。この感覚が、思っていたより大事だった。昨日もやった、今日もやった。その小さな連続が切れないことが、再開のハードルを下げてくれる。一日休むとそこに大きな段差ができるが、一文でも触れていれば段差はできない。

それに、手を入れ始めると、不思議と続きが書きたくなることが多い。重いのは始めるところで、動き出してしまえば案外進む。だから最低量は、その日のノルマというより、机に向かうきっかけとして置いている。

成果ではなく、触れた回数を数える。50代後半から始めた私には、これくらいの低さがちょうどいい。背伸びをすると、続かない。

ルール3 書けるときに、書きためておく

三つ目は、書ける日にまとめて書いておくことだ。

私の生活は、自分の都合だけでは決まらない。母の通院が入れば半日は動けない。急に実家へ行く必要が出ることもある。仕事が立て込む時期もある。先の予定が読みにくい。

だから、調子のいい日や時間の取れた休日に、少し多めに書いておくようにした。一本分の下書きを進めておく。思いついた題材を、忘れないうちにメモしておく。そうして手元に少しだけ蓄えを作る。

実際、母の通院に半日付き添った週は、平日にまとまった時間がほとんど取れなかった。それでも更新が途切れなかったのは、前の休みに書いておいた下書きがあったからだ。あのとき書きためていなければ、たぶんその週で一度止まっていた。

蓄えがあると、書けない日が来ても慌てない。今日は無理でも、前に書いたものがある。そう思えるだけで、気持ちがずいぶん楽になる。締め切りに追われる感覚が薄れ、焦りで雑になることも減った。

不規則な生活の中で何かを続けるには、波の高いときに貯めて、低いときに取り崩す。この緩衝があるかないかで、続けやすさがまるで違う。介護や仕事と並行して何かをやろうとする人には、案外これが効くのではないかと思う。

ルール4 親と体調を、ブログより先に置く

体調を優先して休むための閉じたパソコンとお茶

四つ目は、優先順位をはっきりさせることだ。母のことと自分の体調を先に置き、ブログはそのあとに置く。

これは続けるための撤退ラインでもある。母に何かあれば、その日は書かない。体調が悪ければ、休む。無理をして一日二日を埋めても、そのあと体を崩せば、もっと長く止まる。続けることを目的にするなら、ときどき休む方が理に適っている。

休むことに、以前は罪悪感があった。続けると決めたのに守れていない、と自分を責めた。一日空けるたびに、自分はやはり続かない人間なのではないかと、小さく落ち込んだ。

だが、考え方を変えた。休むのは、やめることとは違う。中断と終了は別のものだ。線を引いて休み、また戻ってくる。それも続けることの一部だ。そう思えるようになってから、休んだ翌日に机へ戻るのが、ずいぶん楽になった。

優先順位を先に決めておくと、書けない日が来ても落ち込まずにすむ。これは決めたとおりに休んでいるだけだ、と思える。順番がはっきりしていれば、母のことを優先するときに、ブログを言い訳のように引きずらずにすむ。逆に、母のことが落ち着いている日は、安心して机に向かえる。

続けるためには、止まらないことより、戻ってこられることの方が大事なのだと、この三か月でだんだん分かってきた。毎日続けることを誇るより、間が空いても必ず戻る。そのほうが、私の暮らしには合っている。

小さなルールが、自分を支えている

並べてみると、どれも大したことのないルールだ。時間を決める。量を低くする。書きためる。親と体調を先に置く。新しい工夫でも、特別な技術でもない。

それでも、この小さな約束ごとが、続けることの土台になっている。気持ちが乗らない日でも、ルールがあれば机に向かえる。書けない日が来ても、ルールがあれば戻ってこられる。

副業を続けられるかどうかは、強い意志があるかではないのだと思う。意志の弱い日をどう設計しておくか。たぶん、そこにかかっている。やる気のある日は、誰でもやれる。問題は、やる気のない日をどう越えるかだ。ルールは、その日のための備えだった。

私はまだ形になる前の段階にいる。収益も、人に語れる成果も、これからの話だ。それでも止まらずにいられているのは、この低い約束ごとのおかげだと思っている。50代後半の自分には、大きな目標を掲げて自分を奮い立たせるより、低い約束を淡々と守るほうが性に合っていた。

将来は、これが少しでも稼ぎになってくれればと思っている。その望みがないと言えば、嘘になる。ただ今のところは、副業というより、何かの記録を残しているという感覚の方が強い。考えなければならないことを、漠然と頭の中で転がしているより、こうして文章にする方が、いくらか整理して向き合える。だから今は、稼ぎを焦らずに、まず書いて残すことを続けている。それも、続けている理由の一つだと思う。

派手な成果はない。けれど、続いているという事実は、私にとって小さな自信になっている。だから最低でも、パソコンを開いて何文字か打ち込む。その日をゼロにしないことだけは、これからも守っていきたい。定時のあとの時間を使って、少しずつ積んでいく。

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